中卒でも介護職に就ける?目指し方や必要な資格を徹底解説

中卒 介護職 介護転職の悩み
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  • 「中卒でも介護職に就くのは可能?」
  • 「どのように目指すのか、なにが必要か知りたい」

高校に進学しなかったり高校を途中で辞めてしまったりした人の中には、介護職に就きたくてこのように悩んでいる人もいるでしょう。

結論からいうと、中卒でも介護職に就職は可能です。介護職唯一の国家資格である「介護福祉士」を目指す場合にも、学歴は問われません。

介護職に就くために必要な研修や資格についても紹介しますので、中卒で介護の仕事に就きたい人は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

【結論】中卒でも介護職は目指せる

【結論】中卒でも介護職は目指せる

中卒が介護職を目指すのに不利になることはありません。介護職に学歴は関係ないからです。

実際に介護職専門の大手転職サイト「介護ワーカー」の求人画面を見てみると、「学歴不問」とする求人情報が、2023年6月現在で約340件ありました。

▼介護ワーカーの求人検索画面

介護ワーカー 求人画面

(求人番号、施設名などはモザイク処理を行っています。)

介護福祉士資格を受験する際にも学歴を問われることはありません。以下で介護福祉士になるための3つのルートについて詳しく説明します。

中卒で介護職を目指せる3つのルート

中卒で介護職を目指せる3つのルート

数ある介護系資格の中、唯一の国家資格である「介護福祉士」の資格取得を目指す場合、3つのルートがあります。

  • 福祉系高校ルート:最短3年
  • 実務経験ルート:最短3年
  • 養成施設ルート:最短1年

中卒の場合は「実務経験ルート」が現実的です。他の2つとの違いもわかるよう、それぞれのルートを把握しましょう。

福祉系高校ルート:最短3年

福祉系高校ルートとは、福祉系高校もしくは福祉系特例高等学校を卒業することで介護福祉士の受験資格を得られるルートです。

福祉系高校の場合は実技試験が免除され、筆記試験に合格すれば資格が取得できます。福祉系特例高等学校の場合は、卒業後に9ヶ月以上の実務経験を積んだのち、筆記試験と実技試験に臨むという流れです。

福祉系高校ルートは、これから高校への進学を検討している中学生や、高校の卒業資格が欲しい人に向いています。

資格取得までの期間は、高校入学から卒業までの3年間が最短です。学費は高校によって異なるものの、年間にして公立で50万円程度、私立で100万円程度が予想されます。

実務経験ルート:最短3年

実務経験ルートとは、介護現場で介護士として3年間の実務経験を積み、受験資格を得る方法です。以下の2つの条件を満たすと介護福祉士の受験資格を得られます。

  • 介護の現場で3年(1,095日)以上従業し、かつ540日以上従事していること
  • 実務者研修の講座を修了していること

雇用形態の指定はないため、介護現場での勤務形態はアルバイトやパートでもカウントされます。また、半日であっても出勤した日を「1日」として数えるので、時短勤務でも条件を満たしやすいです。

1年以上かけて高校や養成施設に通うのは費用や時間がかかるため、実務経験ルートは中卒の人におすすめといえるでしょう。

養成施設ルート:最短1年

養成施設ルートは、高校卒業後に福祉系大学や専門学校などの介護福祉士養成施設を卒業して、介護福祉士試験を受けるルートです。

養成施設に通う期間
  • 普通課の高校を卒業した人:2年以上
  • 福祉系大学や社会福祉養成施設、保育士養成施設を卒業した人:1年以上

介護に関して基礎からしっかりと学習できます。ただし、養成施設には、大学や短期大学・専門学校の教育機関が指定されているため、入学の条件は「高卒以上」です。

中卒の人は養成施設ルートでの介護福祉士資格の取得は現実的でない点に注意しましょう。

今回紹介した介護福祉士になるための方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ目を通してみてください。

中卒で介護職に就くために必要な3つの研修・資格

中卒で介護職に就くために必要な3つの研修・資格

2023年6月現在「未経験OK」「無資格OK」の職場を選べば、中卒で介護職に就くために必要な資格はありません。

(※2024年4月からは、無資格の介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されたため、無資格では働けなくなりました。引用:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」

本章では、介護職員として取得しておくと仕事の可能性が広がる3つの資格を紹介します。

  • 介護職員初任者研修
  • 実務者研修資格
  • 介護福祉士

以下で見ていきましょう。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護に関する基本的な知識や理解を深めるための研修です。講義と実技をあわせて130時間のカリキュラムとなっており、通信講座とスクールへの通学により取得します。

受講期間はスクールにどれだけ通えるかにより左右され、1ヶ月〜4ヶ月程度が一般的です。

介護職は無資格でも就職できるものの、介護職初任者研修を取得すれば排泄介助や入浴介助などの「身体介護」ができるようになります。そのため、基本的に一人で介護サービスを提供する訪問介護の仕事には必須の資格です。

介護職初任者研修を取得するまでの流れ

介護職初任者研修を取得するためには、民間のスクールへ申込みを行いましょう。費用はスクールによって異なり、約5万円〜8万円が相場です。

介護職初任者研修取得の流れ
  1. スクールへ申込み
  2. 自宅学習
  3. スクーリング
  4. 修了試験と修了証明書の発行

自宅学習とスクーリングは並行して行えるため、テキストで不明な点をスクーリング時に質問することも可能です。

スクーリングでは座学だけでなく、グループワークを積極的に取り入れているスクールも存在します。介護職の第一歩として、ぜひ最初に取得したい資格といえるでしょう。

実務者研修資格

実務者研修資格は、介護職員初任者研修よりワンランク上の資格で、医療的ケアなどを含めてより高度な知識や介護技術を付けるための講座です。

未経験でも受講可能で、「たん吸引」や「経管栄養」などの医療的ケアが学べます。

次に紹介する「介護福祉士」の受験要件の1つとなっているため、介護職員としてキャリアアップをしたい人はぜひ取得しましょう。

受講期間は講義と実技を合わせて20科目450時間、6ヶ月です。しかしながら、すでに介護職員初任者研修を取得している場合、一部の科目が免除となるため、130時間が短縮されます。

実務者研修資格を取得するまでの流れ

実務者研修資格を取得するには、民間のスクールに受講の申込みを行いましょう。

費用は20万円が相場です。他の資格を有していれば受講料が安くなる場合があります。

実務者研修資格取得の流れ
  1. スクールへ申込み
  2. 自宅学習
  3. スクーリング

介護職員初任者研修と違い、実務者研修には修了試験の義務はありません。しかし、スクールによっては独自の修了試験を設けている場合もあります。

無資格・未経験でも問題なく取得できる資格であるものの、学習に不安がある人は、介護職員初任者研修から順に取得を目指しましょう。

介護福祉士

長く介護職に携わりたい人は、介護福祉士の取得がおすすめです。取得することでより良い介護サービスの提供ができたり、資格取得手当によって昇給や昇進が見込めたりします。

介護福祉士になるためには、上記で紹介した3つのルートから自分に合ったものを選びましょう。

  • 福祉系高校ルート
  • 実務経験ルート
  • 養成施設ルート

中卒の場合は3年以上の実務経験を積み、実務者研修を終了して受験資格を得るのがおすすめです。介護福祉士の試験は年1回の実施となるため、事前に試験準備をしっかりと行いましょう。

介護福祉士を取得するまでの流れ

実務経験ルートにより、介護福祉士を取得するまでの流れは以下の通りです。

介護福祉士取得の流れ(実務経験ルート)
  1. 3年以上の実務経験を積む
  2. 「介護福祉士実務者研修」または「介護職員基礎研修と喀痰吸引研修」のいずれかを修了する
  3. 試験にて合格後取得

実務経験ルートで介護福祉士を取得するためには、無資格者は10万円、介護職員初任者研修の取得者は8万2,000円の費用が必要です。費用は保有資格により変わります。

中卒で介護職に就いた後にキャリアアップを目指せる2つの福祉資格

キャリアアップ

続いて、持っておくとキャリアアップを目指せる2つの福祉資格を紹介します。

  • ケアマネージャー
  • 社会福祉士

ケアマネージャーはいわゆる介護のプロで、介護福祉士の上位資格と考えられています。社会福祉士は、要介護者を含めたどんな人でも社会活動ができるように手助けする仕事です。

以下で詳しく説明します。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは、介護を必要とする方が適切なケアを受けられるようにケアプランの作成を行う仕事です。

関連する事業者や医療機関、自治体と連携しながら、利用者一人ひとりが適切な介護サービスを享受できるよう、調整する役割を持ちます。

ケアマネージャーの受講条件は、以下の通りです。

  • 介護福祉士としての実務経験を5年以上かつ900日以上
  • 介護支援専門員実務研修受講試験に合格
  • 介護支援専門員実務研修の受講

介護福祉士になってからの実務経験が5年以上かつ900日以上という条件から、受講までに非常に長い期間が必要なのがわかるでしょう。

近年のケアマネージャーの合格率は10〜20%と低めのため、しっかりと受験対策を行うのが大切です。

社会福祉士

社会福祉士は、公的支援制度や福祉サービスが必要な人にサービスを提案したり、行政機関や医療機関へ繋いだりする仕事です。

少子高齢化が進み、福祉的課題が次々に注目される中、期待の高まる資格といえるでしょう。

中卒の場合は、以下のルートで目指すのが一般的です。

  1. 相談援助実務経験を4年以上
  2. 社会福祉士一般養成施設等を卒業
  3. 社会福祉士国家試験に合格する

社会福祉士は国家資格のため、社会からの信用性が高く、幅広い活躍が期待されます。

福祉の仕事はやりがいが大きく、責任感を持って仕事ができるため、今後介護職だけでなく福祉の仕事もしていきたい人は、ぜひ取得を目指してください。

中卒で介護職を目指す際によくある質問

Q&A

中卒でも介護職に就けるとわかり、安心した人もいるでしょう。

最後に、中卒で介護職を目指す際によくある質問を3つ紹介します。

  • 介護職は中卒と高卒・大卒で給料や待遇が変わる?
  • 中卒と高卒・大卒で介護職の求人量に差はある?
  • 中卒の介護職の平均年収はどのくらい?

給料面や求人量が気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。

介護職は中卒と高卒・大卒で給料や待遇が変わる?

介護職において、最終学歴が中学校であっても、基本的に高卒・大卒と給料や待遇はほとんど変わりません。

介護職は、学歴よりも実務経験が重視される業界です。ある程度経験を積んで転職をすることで、給料アップも期待できます。

中卒と高卒・大卒で介護職の求人量に差はある?

中卒と高卒・大卒で介護職の求人量は若干差があるものの、基本的には学歴不問がほとんどです。

また、少子高齢化社会で介護を受ける人が増えているのに対し、介護職は人手不足の状態が続いています。学歴が中卒で、さらに無資格であっても応募を歓迎する求人は増えているため、堂々と気になる企業へ応募しましょう。

就職活動・転職活動に不安がある場合は、担当のエージェントが無料で就職活動を支援してくれる「転職エージェント」の利用がおすすめです。ぜひチェックしてみてください。

中卒の介護職の平均年収はどのくらい?

厚生労働省が行った「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤の介護職員の平均給与額は約32万円のため、平均年収は350万円~400万円程度が予想されます。

勤続年数により給与が増えていく傾向があるため、高収入を期待する場合は、長く勤め続けられる施設への入職を検討するとよいでしょう。

まとめ

中卒でも介護職に就くことは可能です。介護職には基本的に学歴を問われることはなく、実務経験が大切になります。

国家資格である「介護福祉士」の資格も、実務経験ルートを選べば中卒でも取得可能なため、まずは介護現場の職を探すのがおすすめです。

介護福祉士のほかにも、取得しておくと仕事の幅が広がったり、昇給が狙えたりする資格を紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

介護職は、現在慢性的な人手不足に陥っており、無資格・未経験の求人が豊富な業界です。まずは介護職員として実務経験をしっかりと積み、必要な資格を取得しましょう。

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