ケアマネジャー（ケアマネージャー）の年収はいくら？上げる方法もあわせて解説

「ケアマネジャーの年収はいくらくらい？」

「年収を上げるためのポイントは？」

上記のような悩みから、ケアマネジャーになるのをためらっている人もいるでしょう。

結論からいうと、ケアマネジャーの平均年収は434万円と高水準です。また、さらに上の年収500万円を実現する方法もあります。

この記事で具体的に紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ケアマネジャー（ケアマネージャー）の年収はいくら？

厚生労働省の令和３年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、ケアマネジャーの平均年収は434万7,480円です。

国税庁の令和3年民間給与実態統計調査を見てみると、全業種の平均給与は約443万円のため、比較すると決して引けをとらない金額であることが分かります。

「介護＝年収が低い」と思われやすいものの、ケアマネジャーの給与のほとんどが「居宅介護支援費」であり、全額が介護保険から支払われていることが高い年収の理由です。

また、介護職員等特定処遇改善加算により、今後の年収アップも期待されています。

以下でさまざまな条件でケアマネジャーの平均年収を比較していますので、目を通してみてください。

他の資格と比較

ケアマネジャーの平均年収を、他の資格の平均年収と比較してみましょう。

資格	平均年収
ケアマネジャー	4,347,480円
介護福祉士	3,944,640円
実務者研修	3,687,960円
介護職員初任者研修	3,606,120円
無資格	3,255,120円

表からも分かるとおり、ケアマネジャーの資格保持者の平均年収は、介護系資格のなかでも高い方です。

介護の仕事で少しでも年収を上げたい人は、ぜひケアマネジャーの資格を取得しましょう。

施設別で比較

以下は、ケアマネジャーの平均給与を、施設別で比較したものです。

参考にした厚生労働省の資料は月額表示となっているものの、本表には12を掛けて平均年収としています。目を通す前にご確認ください。

施設形態	平均給与
特別養護老人ホーム	4,922,760円
介護老人保健施設	4,611,120円
介護医療院	4,426,440円
グループホーム	4,244,760円
訪問介護事業所	4,001,760円
デイサービス	3,806,280円

ケアマネジャーの給与は、特別養護老人ホームが最も高く、次いで介護老人保健施設、介護医療院という順番で高い傾向にあるのが分かります。

年齢・男女別で比較

ケアマネジャーの平均給与を、年齢・男女別で比較してみましょう。

参考資料には令和３年賃金構造基本統計調査を用いています。こちらも資料では月額表示になっているため、12を掛けて平均年収としています。

▼男性の年齢別給与額

ケアマネジャー（男性）	平均年収
20～24歳	2,412,000円
25～29歳	2,841,600円
30～34歳	3,228,000円
35～39歳	3,579,600円
40～44歳	3,668,400円
45～49歳	3,612,000円
50～54歳	3,471,600円
55～59歳	3,554,400円

上記の表を見ると、男性の平均給与のピークは40代前半です。それ以降はゆるやかに下がっていく傾向が見られます。

▼女性の年齢別給与額

ケアマネジャー（女性）	平均給与額
20～24歳	2,760,000円
25～29歳	3,462,000円
30～34歳	2,895,600円
35～39歳	3,008,400円
40～44歳	3,250,800円
45～49歳	3,207,600円
50～54歳	3,352,800円
55～59歳	3,313,200円

女性のケアマネジャーの場合、20代後半がピークとなっています。

これは30代からは育児との両立のため、雇用形態を正職員からパートに切り替える人が増えることが原因です。

ケアマネジャー（ケアマネージャー）が年収500万円を実現する5つの方法

ケアマネジャーの平均年収は全業種の平均年収の水準ではあるものの、もう少し上げたいと思う人もいるでしょう。

以下で、ケアマネジャーが年収500万円を実現するための方法を紹介します。

施設ケアマネジャーになる

まずは、同じケアマネジャーでも、施設ケアマネジャーになることで年収アップが狙えます。ケアマネジャーの2種類の仕事内容については、以下をご覧ください。

ケアマネジャーの種類	仕事内容
施設ケアマネジャー	介護施設利用者のケアプランの作成
居宅ケアマネジャー	利用者の自宅に訪問し、在宅介護を受けている利用者のケアプランの作成

どちらもケアプランの作成が仕事内容であるのに変わりはないものの、施設ケアマネジャーの方が給料が高い傾向があります。

施設ケアマネジャーは介護施設で勤務する仕事のため、夜勤手当がついたり、残業した場合の手当てがついたりするからです。

ただし、そのぶん居宅ケアマネジャーよりも仕事量が多いので、ゆったり働きたい人には不向きといえます。

経験年数を重ねる

経験年数を重ねることで、年収が500万円を超えることもあります。

ケアマネジャーの給料は、経験年数が多いほど上がる傾向を持つからです。

多くの施設では勤続年数も評価対象となるため、同じ場所で長く働き続けるのも年収アップに効果的といえるでしょう。

長く続けると自然にスキルやノウハウが身につくため、実力面でも評価されやすくなります。

管理職になる

ケアマネジャーとして施設に勤務すると、管理職に抜擢されて高い年収を得られることがあります。

管理職になると役職手当がつき、年収が上がるためです。

ケアマネジャーの管理職昇進には、介護のスキルや知識はもちろん、人柄やマネジメント能力、リーダーシップが必要となります。

役職につくには一定の資格や経験が必要となる場合があるため、管理職になるにはどのような条件があるか、あらかじめ調べておくとよいでしょう。

資格を取得する

年収を500万円まで上げるためには、資格取得も効果的です。取得する資格は、ケアマネジャーの上位資格となる「主任介護支援専門員」が良いでしょう。

主任介護支援専門員の概要

資格名	主任介護支援専門員（主任ケアマネジャー）
仕事内容	・介護に関するサービス、福祉、医療介護保険のネットワーク向上 ・他のケアマネジャーに対して指導・アドバイスを行う ・地域の特徴、課題を把握し、適切にケアできるシステムを作る
受講要件	以下の①～④のいずれかに該当する人 ①専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年（60ヶ月）以上である者 ②「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者　又は日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年（36ヶ月）以上である者 ③施行規則第140条の66第1号イ(3)に規定する主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者 ④介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者 かつ、専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱ又は実務経験者に対する介護支援専門員更新研修を修了した者
求められる能力	高いコミュニケーション能力、マネジメント能力

主任介護支援専門員は、担当の利用者だけでなく、ほかのケアマネジャーのマネジメントや統括を行う職種です。そのため管理職を任される可能性が高くなり、給料アップにつなげやすくなります。

独立する

独立型居宅介護支援事業所として独立開業をすれば、高収入が見込める可能性があります。

ケアマネジャーが一人で請け負える担当件数は35人までと定められており、1ヶ月あたりの収入予想は以下の通りです。

上記はあくまでMAXの35人を受け持った場合のため、受け持ち人数が安定しなければ、収入も安定しないリスクがあります。

また、売上はそのまま利益とならず、毎月の運営費・経費・税金・保険料が差し引かれることも頭に入れなければなりません。

加えて営業や集客も自身で行う必要があるため、必ずしも高収入となるわけではない点を理解しましょう。

施設ケアマネジャーを目指す人は「サポート付き転職サイト」の活用がおすすめ

年収500万円を目指すために、上記で紹介した施設ケアマネジャーを目指す人には「サポート付き転職サイト」がおすすめです。

以下のサービスを受けられ、より年収の高い施設への転職を手助けしてくれます。

転職サイトによっては、面接同行など、さらに手厚いフォローを受けられる場合もあります。

サポート付き転職サイトは多くあるものの、おすすめは以下の3つです。

特徴を見て、ぜひ自分に合った転職サイトを利用してみてください。

介護ワーカー

介護ワーカーは、介護職に特化した求人情報を多く掲載している転職サイトです。全国の求人を豊富に取り揃えているため、地方在住の人も希望の求人が探しやすいでしょう。

年収で情報の絞り込みが可能で、希望する給料以上の求人を探しやすいです。実際に年収500万円以上の求人を検索したところ、2023年5月現在で、186件がヒットしました。

ぜひ自身の希望に沿ってさらに絞り込みを行い、具体的な転職先を見つけましょう。

マイナビ介護職

マイナビ介護職は、人材派遣・人材紹介大手の「株式会社マイナビ」が運営する、介護職に特化した転職サイトです。求人数は業界トップクラスの60,000件超えのため、さまざまな選択肢が見つかるでしょう。

マイナビ介護職も介護ワーカーと同じく年収で検索をかけられる上に、職種で「ケアマネジャー」を選択して絞り込めます。

実際に「ケアマネジャー」＋「年収500万円以上」で検索をかけたところ、88件の求人がヒットしました。

「年間休日110日以上の求人」など良質な求人も豊富なため、これから転職活動を始める人は、ぜひ利用をおすすめします。

リッチマン介護

リッチマン介護は、高収入の求人を集めた転職サイトです。

掲載の企業には専任のキャリアアドバイザーが転職者の希望に応じて、さらに給与に関する交渉を行ってくれる場合があるため、希望通りの転職ができたという喜びの声も聞かれます。

首都圏のみ対応という点で、先に紹介した2社より劣るものの、年収を上げたいと希望する人はぜひ利用してみてください。

まとめ

「介護職は年収が低い」といわれている中、ケアマネジャーの平均年収は434万円と高く、他の業種と比べても同程度を誇ります。

さらに、以下の方法を行うと年収が上がる可能性があるため、ケアマネジャーとして仕事をする人は、ぜひ年収500万円を目指しましょう。

施設ケアマネジャーとして働いて年収を上げたい人は、ぜひサポート付きの転職サイトを利用してみてください。

一人ではなかなかできない履歴書の添削や面接対策などを丁寧に行ってくれるため、転職に成功する確率が高くなります。

ケアマネジャーとして年収アップを望む人は、ぜひ本記事を参考に、実践してみてくださいね。