- 体力的に介護の仕事を続けていけるか不安
- 社会福祉士として介護以外の分野でも活躍したい
このように介護福祉士から社会福祉士への転向を考える方は一定数いらっしゃいます。
しかし、具体的に何からはじめればいいのか、そもそも自分に社会福祉士が向いているのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、介護福祉士から社会福祉士になるメリットや社会福祉士の資格を取るための方法、どのような準備をするべきかなどについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、社会福祉士になるための方法について理解でき、転職への第一歩を踏み出せます。
介護福祉士から社会福祉士になることは可能
介護福祉士から社会福祉士になることは十分可能です。なぜなら通信制や夜間で通える教育施設があり、働きながらでも資格を取得できるできるからです。
加えて、介護福祉士としての経験があれば、学習期間を短縮できる場合もあるでしょう。
ただし、簡単に資格を取得できるわけではありません。社会福祉士の試験問題は介護福祉士のものと比べて出題範囲や問題数が多く、より幅広い専門知識が必要になります。
合格率も介護福祉士と比べ社会福祉士の方が低いです。
合格率(介護福祉士) | 合格率(社会福祉士) | |
第34回(令和3年度) | 72.3% | 31.1% |
第33回(令和2年度) | 71.0% | 29.3% |
第32回(令和元年度) | 69.9% | 29.3% |
第31回(平成30年度) | 73.7% | 29.9% |
第30回(平成29年度) | 70.8% | 30.2% |
資格取得のためには中長期的な計画が必要になりますが、それを乗り越えれば努力に見合ったメリットが得られます。
介護福祉士から社会福祉士になる3つの利点
介護福祉士から社会福祉士に転向した場合に得られるメリットには、大きく以下の3つがあります。
- キャリアアップを目指せる
- 多種多様な働き方ができる
- 利用者に合わせた支援ができる
キャリアアップを目指せる
社会福祉士になることで、キャリアアップの道が開けます。
目指せるキャリアアップの道は主に以下の3つです。
- 管理職になる
- 独立する
- 社会福祉士の上位資格を取る
経験を積むことで、所属する組織の中で管理職としての地位を得られることがあります。部下を教育指導する立場になり、職場のリーダーとして働けます。
また、独立することで思いどおりにスケジュールを決められるようになり、業務の内容も選択可能です。介護福祉だけでなく、児童福祉や障害者福祉など、仕事の幅を広げられます。
そして、社会福祉士には「認定社会福祉士」や「認定上級福祉士」という上級の資格があります。
これらの資格を取得することで、社会福祉士としての実績を証明でき、教育や地域社会への情報発信など活躍の幅を広げることが可能です。昇進や独立にも役立つでしょう。
多種多様な働き方ができる
社会福祉士には、様々な分野での色々な働き方の選択肢があり、介護分野だけでなく医療や行政など幅広いフィールドで活躍可能です。
社会福祉士の主な仕事は、社会福祉に関する様々な相談を受け付ける事ですが、実績を積めば行政関係や各種団体の外部委員であったり、介護認定審査会委員、講師への道もあります。
また他の資格と合わせれば、さらに仕事の幅は広がります。例えば、精神保健福祉士の資格があれば、社会生活に対する支援の他に精神疾患を持つ方へのアドバイスが可能です。
社会福祉士の資格を得ることで、介護以外の方法でも仕事ができるようになるでしょう。
利用者に合わせた支援ができる
社会福祉士になれば、利用者一人一人の問題に適した支援が可能です。
介護福祉士は食事や入浴など実際の生活に密着して利用者の手助けをするのに対して、社会福祉士は利用者から相談を受けて具体的にどのような支援やサービスを受けられるのか提案していきます。
利用者によって抱える問題は違いますので、一人一人に合ったやり方を考えて提案していく必要があります。そのため、利用者の人生に深く寄り添った支援が可能です。
介護福祉士から社会福祉士を目指す人が受験する資格
社会福祉士の受験資格を得るためのルートは多数存在しており、学歴の違いによってルートが変化します。以下の3つの場合それぞれについて、社会福祉士の資格を得るまでの流れを解説していきます。
- 高卒の場合
- 短大卒の場合
- 大卒の場合
高卒の場合
大学および短期大学を卒業せずに社会福祉士の資格を得るには、相談援助業務を4年以上経験したうえで一般養成施設等に1年以上通う必要があります。
ただし、相談援助業務を任されるためには、介護士として相応の経験を積む必要があるので、人によっては受験資格を得るまでに長い期間が必要になる場合があります。
短大卒の場合
福祉系の短期大学に通う場合と福祉系以外の一般短期大学に通う場合で、受験資格を得るために必要な過程が違います。
福祉系の短大で指定科目を履修した方は養成施設での学習が必要ありません。また、福祉系の短大で基礎科目を履修した方は、一般短大の場合と比較して、養成施設での学習期間が短くなります。
大卒の場合
福祉系の大学に通う場合と福祉系以外の一般大学に通う場合で、受験資格を得るために必要な過程が違います。
大学に通う場合は、相談援助実務を経験しなくても社会福祉士の受験資格を得られます。
介護福祉士から社会福祉士を目指すときの免除科目
すでに 介護福祉士として活躍している方が社会福祉士を目指す場合、育成カリキュラムの一部が免除されます。
具体的には、実習科目について最大で60時間減らせる場合があり、通常240時間必要な実習時間を180時間にまで短縮可能です。
また、精神保健福祉士の資格を持っている方は、共通科目の受験が免除されます。
介護福祉士から社会福祉士を目指す人が取るべき2つの行動
介護福祉士が社会福祉士の資格を得るためにやるべきことが2つあります。
- 相談援助業務の経験を積む
- 働きながら通える養成施設を探す
相談援助業務の経験を積む
社会福祉士になるためには、相談援助業務に就いた実績が必要になる場合があります。
相談援助業務の経験が必要な場合、少なくとも1年以上の実績が求められるので、最優先で取り組むようにしましょう。
相談援助業務の実績を積める主な施設は以下の通りです。
どの職種が相談援助業務に該当するのか確認して、キャリアパスを考えましょう。現在働いている職場に相談支援業務がない場合は、転職を視野に入れるのも手です。
働きながら通える養成施設を探す
社会福祉士になるための養成施設には働きながら通えます。
日中のコースだけでなく、夜間や通信制のコースもあるため、仕事の都合に合わせて無理なく通える養成施設を探しましょう。
相談援助の実務経験を積みたい人におすすめの転職サイト
相談援助業務に就ける職場探しにおすすめの転職サイトを3つご紹介します。
- 介護ワーカー
- マイナビ介護職
- カイゴジョブ
介護ワーカー
「介護ワーカー」は、業界の中でも求人数が豊富な介護職専門の転職求人サイトです。
公開されている求人だけで9万件以上に登り、通常よりも好条件な非公開求人も取り扱っています。
全国各地に36カ所の拠点があり、地方の求人にも強いので、都市部以外で就職を考えている方には特におすすめのサイトです。
また、希望すれば採用面接に同行してもらえる場合があるなど、サポートも充実しています。
マイナビ介護職
「 マイナビ介護職」は良質な求人が多いと評判の転職求人サイトです。
良い評判の理由は、掲載求人の質もさることながら、検索機能が充実しており、自分の希望に合った求人情報を探しやすいことが挙げられます。
例えば、職種や地域での検索はもちろん、休日の日数や給与の条件による絞り込みといった豊富な検索項目があり、複数の条件を掛け合わせた探し方も可能です。
サイトの使い勝手の良さが理想の職場を見つけやすくしています。
また、キャリアアドバイザーに相談することもでき、条件の良い非公開求人を紹介してもらえたり、転職活動のアドバイスや給与の交渉などといった手厚いサポートも特徴です。
カイゴジョブ
「カイゴジョブ」は、累計会員登録数が業界トップクラスの転職求人サイトです。
非常に多くの方に利用されており、その会員数は140万人、カイゴジョブが優良なサービスであることを物語っています。
またカイゴジョブでは、ハローワークの求人を閲覧することが可能です。
カイゴジョブが保有する求人は約4万件で、それだけでも高水準ですが、ハローワークの求人も合わせると約9万件となり業界でトップクラスになります。
さらにカイゴジョブはエージェントによるサポートも行っており、求人情報の案内や面接日程の調整など転職活動のサポートを受けられる点もポイントです。
まとめ
介護福祉士から社会福祉士への転職は可能です。
受験資格を得るためのハードルはありますが、乗り越えた先には仕事の幅が広がり、より自分らしい働き方ができます。
また介護福祉士としてのキャリアがあれば、相談援助業務にも比較的就きやすいので、他の志願者より有利な場面もあるでしょう。
今の職場に相談支援業務がない方は、ぜひ今回ご紹介した求職サイトを手がかりに、社会福祉士への第一歩を踏み出してみてください!