「介護福祉士とはどのような資格か知りたい」
「介護福祉士のにあるにはどうしたらいいか知りたい」
このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
介護福祉士とは、介護系の資格のなかで唯一の国家資格で、取得することで年収アップや、仕事の幅が広がるなどのメリットを得られます。
本記事では、介護福祉士になるにはどのようにすればよいのか、それぞれの状況に応じた介護福祉士の資格の目指し方について紹介します。
介護福祉士について気になる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
介護福祉士になるには?
介護福祉士になるには、数ある介護の資格の中でも唯一の国家資格である「介護福祉士国家試験」に合格しなければいけません。国家試験合格後、登録を行うことではじめて介護福祉士となります。
そもそも介護福祉士とは、専門知識と技術を活かして介護が必要な人の身辺の介護のほか、毎日の健康管理や、家族からの相談へのアドバイス、指導などに携わります。介護目標や計画の立案もおこなうため、まさに介護のプロフェッショナルといえるでしょう。
介護福祉士の国家試験を受験するには、受験資格を満たす必要があります。受験資格を得るには、以下のいずれかのルート条件を満たした人に国家試験の受験資格が与えられ、国家試験を受験することができます。
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済連携協定(EPA)ルート
受験資格のルート条件については、それぞれ解説しますが、介護福祉士国家試験の概要をまとめましたので、ご参考までにご覧ください。
試験の種類 | 筆記試験・実技試験 |
受験場所 | 【筆記試験】(35試験会場) 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、 岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、 福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 【実技試験】(2会場) 東京都、大阪府 ※令和5年(第35回)の試験実施状況です。 |
試験日程 | 年に1回。例年1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験が実施 |
受験料 | 18,380円 |
申込方法 | 郵送、インターネット |
社会福祉士国家試験の試験概要は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターからご確認ください。
実務経験ルート
最もスタンダードな資格取得方法としてあげられるのが、介護施設で3年間の実務経験を積み受験資格を得る「実務経験ルート」です。
受験資格には実務経験の3年に加え、養成施設などにおける「介護福祉士実務者研修」の修了が必要です。また、「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方を修了している人も同様の受験資格が与えられます。
養成施設ルート
厚生労働大臣が指定する養成施設を卒業して、国家試験を受ける「養成施設ルート」です。養成施設とは、厚生労働大臣指定の学校のことで、四年制大学、短期大学、専門学校などの種類に分けられます。なお、養成施設に通信制はありません。
また、養成施設に通う期間は、学歴によって異なります。
- 高等学校を卒業した人:2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業(修了)
- 高等学校を卒業後、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業した人:1年制以上の介護福祉士養成施設を卒業(修了)
一方、2017年3月31日までの養成施設の卒業生は、国家試験を受けずに介護福祉士の資格を得ることができました。しかし、2017年4月1日からは、養成施設を卒業した人も、国家試験を受ける必要があります。
このような急激な制度改正のため、2017年4月1日から2027年3月31日まで養成施設を卒業者に限り、試験を受けるだけで登録できる「卒業後5年間は介護福祉士資格取得者と見なされる」経過措置が設けらました。
継続して資格を有効にするには、以下の条件があります。
- 卒業後5年以内に介護福祉士国家試験(筆記試験)に合格
- 卒業後5年間継続して介護に携わる業務に従事
この条件を満たすことができなければ「資格取得(登録)が無効」となるので、注意が必要です。
福祉系高校ルート
福祉系高校もしくは福祉系特例高等学校を卒業して、介護福祉国家試験を受けることで介護福祉士の資格取得を目指すのが「福祉系高校ルート」です。
2009年4月1日以降に養成施設に入学した人とそれ以前に入学した人とでは、介護福祉士国家試験の受験内容が異なります。2008年4月1日以降に入学した人は、国家試験の筆記試験と実技試験の両方に合格することが取得条件です。それに比べ、2009年4月1日以降の人は、国家試験の筆記試験に合格すれば、資格が取得できます。
ただし、2009年4月1日以前に入学した人も、「介護技術講習」を受講していれば実技試験は免除されます。
経済連携協定(EPA)ルート
介護福祉士になるには、これまでご紹介したルートに加えて、外国人向けの「経済連携協定(EPA)ルート」があります。経済連携協定により来日した外国人が、介護の現場で働きながら資格取得を目指すルートです。一定の条件をクリアし来日後は、日本語研修を受けつつ介護施設で3年以上の実務経験を積むと受験資格が与えられます。
現在の対象国はベトナム・フィリピン・インドネシアの3ヶ国です。
【状況別】介護福祉士になるには?
介護福祉士になるには、さまざまなシチュエーションが想定されます。それぞれの立場で介護福祉士を目指す方法についてまとめました。
- 中学生
- 高校生
- 大学生・専門学校生
- 社会人
- 主婦
中学生
中学生から介護福祉士になるには、以下の4つの方法があります。
- 介護などの業務に3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了の「実務経験ルート」
- 高等学校を卒業してからの「養成施設ルート」
- 福祉系高等学校を卒業してからの「福祉系高校ルート」
- 通信教育など特例高校を卒業、実務経験を9カ月以上
介護福祉士試験の受験資格は、学歴は関係ありません。中卒でも受験資格さえ満たせば受験できます。一方、「介護などの業務」に「事務作業」は含まれないので注意しましょう。
また、高等学校や福祉系高等学校などに進学し卒業、かつ養成施設や実務経験などの条件をクリアすることで、受験資格を得られます。高校進学を視野に入れて介護福祉士を目指すことをおすすめします。
高校生
高校生も介護福祉士を目指し、介護福祉士になることは不可能ではありません。介護福祉士国家試験には受験資格があるため、受験資格の条件を満たせば、だれでも受験することができるからです。
高校生から介護福祉士になるためにはどのような方法があるのか、以下のようにまとめました。
- 介護などの業務に3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了の「実務経験ルート」
- 大学もしくは専門学校に進学し卒業する「養成施設ルート」
介護などの業務に3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修を修了すれば、受験資格が与えられます。高校に通いながら介護のアルバイトをする、といった方法もいいでしょう。
また、高等学校卒業後、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかに進学しを卒業、さらに1年制以上の介護福祉士養成施設を修了すると受験資格が与えられるので、しっかり検討しましょう。
大学生・専門学校生
大学生や専門学校生で、介護福祉士を目指す人で、福祉系大学や社会福祉士養成施設などに在学中の場合は、そのまま卒業まで勉学に励みましょう。卒業して養成施設で1年学習すれば、最短で介護福祉士の受験資格が得られます。
福祉系以外の大学生や専門学校生のなか介護福祉士を目指す人は、「養成施設ルート」もしくは「実務経験ルート」で、受験資格を得ることをおすすめします。後者の場合は、介護施設でアルバイトをするのもいいですね。
社会人
未経験の方や全く関係のない仕事をしている社会人からでも、介護福祉士になることは可能です。具体的には「実務経験ルート」あるいは「養成施設ルート」を活用します。
とはいえ、受験資格を得るまでには時間がかかるため、すぐには取得できません。
社会人の場合、介護職に転職することから始めましょう。3年の実務経験を得ることで、実技試験も有利に進められるためです。
介護業界への転職については、下の記事で詳しく紹介しています。気になった方はぜひ読んでみてください!
関連記事:【介護へ転職】介護への転職は未経験でも可能なのか!?後悔・失敗しないために成功事例も交えてご紹介!
主婦
主婦でも介護福祉士になることができます。未経験の方の受験資格を得るパターンとしては、「実務経験ルート」と「養成施設ルート」です。
おすすめの方法は、介護の求人サイトである「かいご畑」で登録し、派遣スタッフとして働くこと。介護福祉士の資格取得講座はもちろん、初任者研修や実務者研修などを受けられますし、費用もテキスト代しかかかりません。
詳しくは下の記事をご覧ください。
関連記事:かいご畑の評判・口コミは?メリット・デメリットを徹底解説
まとめ
本記事では、介護福祉士になるにはどうすればいいのかを解説しました。
介護福祉士は、介護系資格のなかで唯一の国家資格です。状況に応じて受験資格は変わりますが、最短で1年で得られますのでぜひチャレンジしましょう。
また、介護福祉士の仕事は、専門知識と技術を活かして介護が必要な人の身辺の介護のほか、毎日の健康管理や、家族からの相談へのアドバイス、指導などに携わる重要なお仕事です。介護福祉士には将来性があり、キャリアパスも幅広いです。
これから介護福祉士を目指している人や、介護福祉士に興味がある人はぜひ参考にしてください。