「介護職への転職を考えているが、自分が向いているのかわからない」
「介護職に向いている人の特徴が知りたい」
このように不安やとまどいを感じる人もいるでしょう。身体介助や食事介助などのサポートを行う介護職では、ひとつ違えば利用者にも迷惑をかけかねないため、その不安から転職活動に前向きになれないかもしれません。
たしかに、介護職は誰にでもできる仕事とはいえず、向いている人も向いていない人もいます。
この記事では、介護職が向いている人、向いていない人のそれぞれの特徴を紹介します。自分がどちらに当てはまるのか、気になった人は最後まで読んでみてください。
介護職が向いている人の7つの特徴
介護職が向いている人の特徴は以下の7つです。
- 人と関わるのが好き
- 気遣いができる
- 性格が明るい
- 責任感が強い
- 柔軟性がある
- 向上心がある
- 夜勤や平日休みでも問題ない
人と関わるのが好き
介護職は、人と関わるのが好きな人に向いています。人と関わることが好きで積極的にコミュニケーションを取れる人でなければ、質の高い介護サービスは提供できないからです。
介護の現場で起こるトラブルは、ほとんどが「コミュニケーション不足」によるものといえます。
このほかにも、利用者の家族や、同じ事業所で働くスタッフとのコミュニケーションも円滑に行えなければ、さまざまなトラブルが起こりかねません。
真に利用者に喜ばれるサービスを提供するためには、利用者に寄り添い、コミュニケーションを取り、信頼関係を積み重ねていくことが大切です。
また、介護サービスの利用者は高齢者が多いことから、「年上の人と話すのが好き」という人ほど向いているといえます。
気遣いができる
利用者が口にしないことでも、様子や行動から「何をしてほしいのか」を察する気遣いができる人は感謝されやすく、介護職に向いている人といえます。
特に入浴や排泄の介助は、本来であれば他人に見られない部分を見ることになるため、利用者の尊厳や感情に対する配慮が必要です。
また、介護職では食事や移動などの介助も含め、行為すべてに手を出すことはよくありませ。、利用者自身が望むかたちのサポートを行い、相手を尊重する姿勢が求められます。
性格が明るい
性格が明るい人は、利用者や利用者の家族に安心を与えやすいことから、介護職に向いているといえます。
特に、必要な介護サービスを受けながら日常生活への復帰を目指している利用者は、介護士に明るく鼓舞されることで「がんばろう」と前向きになれるでしょう。
また、性格が明るい人は、利用者だけでなく一緒に働くスタッフからも好感を持たれやすいです。
責任感が強い
介護の仕事は、信用と信頼で成り立っており、「あの人に任せれば大丈夫」と利用者から思ってもらえるような行動が取れるような、責任感が強い人が向いています。
加えて、介護職にはチームワークが求められます。ミスをした際に責任転嫁したり、与えられた仕事しかこなさなかったりと「自分ごと」として仕事に取り組めない人は、上司や同僚から反感を買う可能性があるでしょう。
より良い介護サービスを提供するためにも、責任感の強さは欠かせない要素だといえます。
柔軟性がある
固定概念にとらわれず、その時々の状況に合わせて臨機応変に動ける柔軟性がある人も、介護職に向いている人です。
介護業界で仕事をしていると、育ってきた環境や考え方の違いから、利用者や家族の価値観やニーズが自分と異なる場面もあります。にもかかわらず、個人を見ず他の人と同じ介護サービスを行っては、利用者の不満はつのるばかりです。
また、介護の現場では、一瞬目を離した隙に利用者が転倒したり、誤飲してしまったりなど「予期せぬトラブル」がつきもの。決められたマニュアル通りの介護を行うのでは、利用者を危険にさらしてしまう可能性があります。
このことから、基本的なマニュアルを頭に入れつつ、状況によって最適な対応を行えるスキルが介護職には必要です。
向上心がある
介護職は「入職して終わり」ということはなく、入職後も向上心を持って介護の知識やスキルを磨き続ける必要があります。
特に、介護業界でステップアップをしたいのであれば、資格の取得は必須です。休みの日を利用して資格の勉強を行うのが苦でない人でなければ、ステップアップは難しいでしょう。
加えて、知識やスキル、資格を身につけることによって、自信と余裕を持って業務を行えたり、昇格して給料が上がったりすることが期待できます。
未経験でも取得可能な介護の資格は、この記事の中の「介護の仕事について学ぶ」で具体的に紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
夜勤や平日休みでも問題ない
介護職には、夜勤や平日休みでも問題ない人が向いています。入職する施設によるものの、介護施設はシフト制で働く職場が多く、夜勤や土日出勤が多くなる場合もあるからです。
介護業界への転職は希望しているが、どうしても夜勤がしたくない人は、日勤のみの事業所を探すのも良いでしょう。
のちほど紹介しますが、転職活動をする上で利用をおすすめする求人サイトの中には、細かく条件を設定して絞り込みができるサイトも存在します。
さらに、無料で受けられる、業界経験豊富なアドバイザーからサポートを受けられる転職エージェントサービスを利用すれば、事業所側と雇用条件の直接交渉も行ってくれるため、有利な条件で働き始めやすいです。
介護職が向いていない人の5つの特徴
介護職に向いている人の特徴を7つ紹介しました。一方で、介護職には向いていない人も存在します。
どのような人が向いていないのか、以下で5つの特徴を紹介します。
- コミュニケーション能力がない
- 自分のペースで仕事したい
- 繊細な人
- 体力に自信がない
- 潔癖症
コミュニケーション能力がない
介護職は利用者やスタッフなど多くの人と関わる仕事のため、コミュニケーションが苦手な人は、しんどく感じやすいです。
コミュニケーションを円滑に取るには、話すことだけではなく、相手の話を「聞く力」も必要です。利用者が「どのように考えているのか」「なにをしてほしいのか」を引き出せなければ、介護職を続けることは難しいでしょう。
自分のペースで仕事したい
介護職は、スタッフ同士で連携を取りながらチームワークを持って利用者をサポートする仕事のため、自分のペースで仕事をしたい人には向いていません。
介護の現場では、自分だけが利用者のサポートを行っているのではなく、同じ介護スタッフや、医師や看護師、リハビリ職員など、さまざまな役割を持ったスタッフとも協力しながら進めていく仕事、ということの理解が必要です。
協調性がなければ周囲から反感を買い、チームの中で孤立してしまう可能性も出てきます。
仮にどうしても介護職で自分のペースで仕事がしたい人は、1人で利用者の自宅に伺って介護サービスを行う「訪問介護」への転職を検討すると良いでしょう。
繊細な人
介護士として仕事をする上で気遣いは非常に大切ですが、「繊細な人」を意味するHSP(Highly Sensitive Person)の人は、かえってしんどい思いをする可能性があります。
HSPは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことです。全人口の15~20%、約5人に1人はHSPと考えられています。
引用:サワイ健康推進課
HSPの人は、「利用者の些細な変化に気づきやすい」「感謝の言葉に人一倍喜びを感じられる」といった、介護現場で活かせるメリットがあります。しかしその一方で、働く環境によっては、刺激が強すぎる場面も存在します。
強い刺激を受けて介護の仕事が続けられなくなることを避けるためにも、繊細な人は、上記が予想される「特別養護老人ホーム」や「老人保健施設」などへの転職活動は辞めておいた方が良いでしょう。
大型の事業所や、人手が不足している事業所ではなく、中~小規模で、働いている人がゆったりと仕事をしている環境の職場を選ぶようにしてください。
体力に自信がない
介護職は、利用者を支えたり持ち上げたりするなどの力仕事が多いことや、勤務時間で生活リズムが変わることから、体力に自信がない人にとっては厳しい仕事です。
また、介護の現場では「腰痛=職業病」とする声も多く、もともと腰痛を持っている人であれば、さらに腰に負担がかかって悪化させる可能性があります。
それでも介護の仕事に携わりたい場合、「介護ロボット」のある職場を探すと良いでしょう。
介護ロボットとは
- 情報を感知(センサー系)
- 判断し(知能・制御系)
- 動作する(駆動系)
技術を有する、知能化した機械システム
引用:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」
ひとくちに介護ロボットといっても、介助者が装着して身体的負担を軽減するタイプや、検知センサーや外部通信機能を備えた見守りタイプなど、種類はさまざまです。
体力に自信のない人や、腰痛を持っている人は、「介護ロボットが導入されている」ことを条件に、介護専門の求人サイトで仕事探しを行いましょう。
潔癖症
介護職は、人の身体に触れる業務が多いうえに、排せつ物の処理も基本の仕事のひとつのため、潔癖症の人は、やめておいた方が無難でしょう。
潔癖症にも程度がありますが、排せつ物をみたり、処理を行うことに抵抗がある場合は、利用者を傷つけてしまう可能性があるからです。
潔癖症の人であっても「仕事」だと割り切れる人も存在しますが、介護職の業務を知って許容できるかどうかを考えた上で、転職活動を行うか検討しましょう。
介護職に向いている人が転職を成功させる3つのポイント
介護職に向いている人、向いていない人の特徴を見て、自分が介護職に向いていると思った人は、ぜひ転職活動を進めていきましょう。
以下で、転職を成功させる3つのポイントを紹介します。
- これまでの経験を書き出す
- 介護の仕事について学ぶ
- アドバイザー付き転職サイトを利用する
これまでの経験を書き出す
介護職への転職を成功させるためにも、介護職で活かせる自身の強みを、具体例とともに書き出すことをおすすめします。
以下で、これまでの仕事から得た強みを、介護の仕事でアピールする場合の具体例をまとめたので、参考にしてみてください。
強み | 具体例 |
協調性 | 周りと協力し、クライアントへの提案を行っていたので、チームで取り組むのが得意 |
傾聴力 | クライアントの希望に沿う商品提案を行っていたため、意向を聞き出すのが得意 |
柔軟性 | 予期せぬトラブルにも、「結果を出すためにどうすれば良いか」を考え、適した対応が可能 |
向上心 | 現状にとどまらず高い目標を持ち、必要であれば資格を取得するなど、もっと上に行くために行動できる |
リーダーシップ | 目標達成のためにビジョンを示したり、困っている後輩にも積極的に声をかけ、モチベーションを維持する |
前職でなくても、学生時代などの経験から、強みをアピールするための具体例を思い出してみましょう。紙に書き出しておくことで、面接で質問を受けた際にも落ち着いて受け答えできます。
介護の仕事について学ぶ
介護業界が未経験であれば、あらかじめ介護の仕事について学んでおきましょう。
介護の仕事についてどれくらい理解しているかを面接で尋ねられた際、介護の仕事をイメージしながらしっかりと説明ができると、転職をしたい思いが伝わります。
資格を取得するのも1つの方法です。未経験で取得できる介護の資格は以下のようなものがあります。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 喀痰吸引等研修
- 認知症介護基礎研修
- 認知症介護実務者研修
- 認知症ケア指導管理士(初級)
- 重度訪問介護従事者養成研修
- レクリエーション介護士
- サービス介助士
- 福祉住環境コーディネーター
介護に関する資格は多くあり、業界未経験でも取得できる資格も存在します。本気で介護業界への転職を考えている人は、ぜひ上記を参考に、資格取得の検討もしてみてください。
アドバイザー付き転職サイトを利用する
介護職専門の転職サイトは数多く存在しますが、介護職への転職が初めての場合、アドバイザーからのサポートが受けられる転職サイトの利用をおすすめします。
以下は、アドバイザーから受けられるサポートです。
- 求人紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接日調整
- 面接のアドバイス
- 条件交渉
なかには、面接が苦手と感じている人に向けて、面接時にアドバイザーも同席する「面接同行」などのサポートを受けられるサイトもあります。
アドバイザーからサポートが受けられる求人サイトの中で、おすすめは以下の3つです。
いずれも求人数が多く、希望に沿った求人を探すことができるでしょう。介護業界への転職を前向きに検討している人は、ぜひ利用してみてください。
まとめ
介護職への転職を考えていのであれば、自分が「向いている人」なのか「向いていない人」なのかチェックしましょう。
介護職に向いている人に当てはまる場合、その特徴を知っておくことで、選考で「強み」としてアピールできます。
一方、介護職に向いていない人は、必ずしも転職できないわけではありません。避けた方が良いと考えられる職場や状況を頭に入れた上で、転職活動を進めましょう。
最後になりますが、介護業界への転職を成功させるためには、強みを書き出したり介護の仕事について学んだりすることから始めましょう。
このとき「アドバイザー付きの求人サイト」を利用すると、転職に役立つアドバイスがもらえます。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。