「介護の資格にはどのようなもの?」
「キャリアアップや転職のためにどの資格を取れば良いか知りたい」
介護の資格には、実に多くの種類が存在するため、「どれから取れば良いかわからない」と不安に思う人もいるでしょう。
そんなあなたに以下の4分野に分けて、おすすめの資格21種類をこの記事で紹介します。
- 基本的な介護資格3種類
- 介護福祉士におすすめの資格3種類
- 認知症患者の介護に携わりたい人におすすめの資格5種類
- その他の介護資格10種類
取得することで昇格や昇給が狙える資格も存在しますので、現在介護の仕事をしている人やこれから介護職への転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
【全員必須】基本的な介護資格3種類
まずは、介護の資格でもっとも一般的な3種類の資格を紹介します。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
介護職員初任者研修
資格の概要 | 介護の基礎的な知識やスキルを身につけることができる資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・身体介助を含む介護業務全般 |
試験の頻度 | 年4回以上 |
かかる費用 | 5万円〜8万円 |
介護職員初任者研修は、介護の基礎から応用までを学び、知識やスキルを身につけることができるスタート資格です。スクールに通いカリキュラムを受ける必要があり、試験の頻度はスクールによって異なります。
介護の仕事は無資格でもできますが、有資格者のサポートや掃除や洗濯などの生活支援業務しかできないなど、すべての業務には関われません。
しかしながら介護職員初任者研修を持っていれば、入浴介助や排泄介助など、利用者の身体に直接触れる「身体介護」を含む、介護業務すべてが制限なくできるようになります。利用者の自宅に訪問し、1人で介護業務を行う「訪問介護」では必須の資格です。
合格率は90%以上と高く、比較的取りやすい資格といえるでしょう。
介護福祉士実務者研修
資格の概要 | 介護職員初任者研修の上位資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・医療的ケアの基本が学べる ・サービス提供責任者になれる ・介護福祉士国家試験の受験要件の1つを満たせる |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 5万円〜15万円 |
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格です。未経験でも受講が可能で、「たん吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアの基本を学ぶことができます。
介護業界唯一の国家資格である「介護福祉士」の受験要件の1つとなっていますので、これから介護業界でキャリアアップをしていきたいと思う人は、ぜひ取得しましょう。
修了試験の有無はスクールにより違いますが、実施された場合でも難易度はそれほど高くなく、復習をしっかり行えば落ちることは少ないでしょう。
介護福祉士
資格の概要 | 介護系資格唯一の国家資格 |
受講条件 | ・実務者研修終了 ・実務経験3年以上 |
資格取得でできること | ・より良い介護サービスが提供できる ・昇給やキャリアアップにつながる |
試験の頻度 | 年1回 |
かかる費用 | 10万円〜150万円 |
介護福祉士は、介護系資格唯一の国家資格です。取得することで利用者に対しより良い介護サービスの提供が可能になったり、資格取得手当により昇給や、昇進が見込めます。
介護福祉士になるためのルートは3つです。
- 養成施設ルート:文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した養成施設において、介護福祉士として必要な知識と技能を修めて卒業し、試験を受ける
- 福祉系高校ルート:福祉系高校、又は福祉系特例高等学校を卒業し、国家試験を受けることで介護福祉士の資格取得を目指す
- 実務経験ルート:3年以上の実務経験があり、「介護福祉士実務者研修」または「介護職員基礎研修と喀痰吸引研修」のいずれかを修了し、試験を受ける
早く資格を取得したい人は「養成施設ルート」をたどれば、最短1年で資格取得可能です。ただし養成施設に通う必要があるため、社会人が未経験から介護福祉士資格を取得したい場合は「実務経験ルート」が良いでしょう。
年1回行われる試験の合格率は70%以上と高く、難易度は低い方だといえます。
介護福祉士におすすめの資格3種類
国家資格である介護福祉士を取得した人には、以下の3種類の資格がおすすめです。
- 認定介護福祉士
- ケアマネジャー
- 喀痰吸引等研修
認定介護福祉士
資格の概要 | 介護福祉士の上位資格に位置する民間資格 |
受講条件 | ・介護福祉士として実務経験5年以上 ・全600時間の認定介護福祉士養成研修課程修了 ・認定申請通過 |
資格取得でできること | ・介護福祉士以上に高いスキルや知識の証明 ・現場リーダーに求められる教育・指導能力の証明 ・他職種との連携力 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 約60万円 |
認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格として2015年12月に開始された民間資格です。地域包括ケアを推進するため、介護サービスを提供するにあたって他職種との連携・協働を図る役割をもちます。
また現場リーダーとしてのマネジメント力や実践力、地域介護を支えるためのサポート力など、幅広いスキルを身に付けられます。介護スキルの証明になったり、待遇アップが期待できたりする点がメリットといえるでしょう。
認定介護福祉士を取得するためのカリキュラムは約600時間あり、週に約8時間受講したとしても1年半の期間がかかる計算となるため、スケジュール管理の面で取得難易度は高いといえます。
ケアマネジャー
資格の概要 | 介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行う介護保険のスペシャリスト |
受講条件 | 指定業務を5年以上かつ900日以上経験すること |
資格取得でできること | ・ケアプラン(介護サービス計画書)の作成 ・関連機関との連絡調整 |
試験の頻度 | 年1回 |
かかる費用 | 約1万円 |
ケアマネジャー(ケアマネ)は、利用者からの相談や心身の状況に応じて、介護サービスを受けられるようケアプランを作成する役割を持ちます。
関連機関との連絡調整もケアマネジャーの仕事の1つで、利用者と機関をつなぐ架け橋として、欠かすことのできない職業です。
受講条件が「指定業務を5年以上かつ900日以上経験」であるため取得まで長い時間が必要となります。しかし業務の幅が広がったり昇給が望めるなどのメリットがあるため、介護業界でキャリアアップを考えている人は、ぜひ取得してほしい資格です。
喀痰吸引等研修
資格の概要 | 施設や居宅において喀痰吸引及び経管栄養の医療行為を行える資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部) ・経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養) |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 6万円〜15万円 |
喀痰吸引等研修とは、「痰の吸引」「経管栄養」といった医療ケアを行える職員を養成するための資格です。「基本研修」と「実地研修」の2つにわかれており、両方を修了することで取得できます。
喀痰吸引等研修は医療ケアを行う対象者が不特定多数の人なのか特定の利用者なのかによって研修内容が異なります。どのようなシチュエーションで知識やスキルを身に着けたいのか明確にした上で、必要な研修を受けましょう。
多肢選択式で問題が出され、9割以上を取得した人が合格となるものの、復習をきちんと行っていれば、それほど難しい試験ではありません。
認知症患者の介護に携わりたい人におすすめの資格5種類
続いて、認知症患者の介護に携わりたい人におすすめの資格を5種類紹介します。
- 認知症介護基礎研修
- 認知症介護実務者研修
- 認知症介護実践リーダー研修
- 認知症ケア指導管理士(初級・上級)
- 認知症ケア専門士
認知症介護基礎研修
資格の概要 | 認知症介護の基礎的な知識・技術を身につけるための研修 |
受講条件 | 認知症ケアに携わる介護従事者 |
資格取得でできること | ・認知症の方を介護するための基礎知識やスキルの習得 ・認知症ケアの考え方の習得 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 1,000円〜5,000円(自治体による) |
認知症介護基礎研修は、認知症の人への介護に求められる、基本的な理解や対応方法を習得するための研修です。
実施する自治体や団体によって受講費用や手続きが異なり、研修形式は研修会場での集合形式とeラーニングを使った通信形式とに分かれます。
認知症介護基礎研修は、高齢化とともに認知症患者数が増加し、認知症介護の知識やスキルを持った介護人材が必要になるため、2021年4月の介護報酬改定に伴って義務化されました。
医療・福祉関連の資格を取得していない方や認知症ケア未経験の人が対象の研修であるため、わかりやすいないようがほとんどで難易度も低いです。
認知症介護実務者研修
資格の概要 | 認知症介護基礎研修の上位資格 |
受講条件 | 介護施設や事業所などでの実務経験2年以上 |
資格取得でできること | ・認知症ケアの実践的な知識や技術の取得 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 無料〜3万円 |
認知症介護事務者研修は、認知症ケアの実践的な知識や技術を身につけることを目的とする資格です。
受講資格は各自治体によって異なりますが、原則として介護施設や事業所などでの実務経験が2年以上あることが条件となっています。
認知症介護基礎研修の上位資格であるものの、試験は実施されず、研修終了後に資格の取得ができるため、難易度は高くないといえます。
認知症介護実践リーダー研修
資格の概要 | 認知症介護のリーダーを育成することが目的の資格 |
受講条件 | ・介護業務の実務経験5年以上 ・認知症介護実践者研修修了後1年以上 |
資格取得でできること | ・認知症チームケアの調整 ・介護職員の指導 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 無料〜5万円 |
認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護実践者研修を修了した人が、指導者としての能力を養うために受講する研修です。
指導者としてのキャリアアップに役立つ上に、認知症対応施設での需要が高いため、条件の良い事業所への転職活動にも役立ちます。
認知症介護実践リーダー研修に関しても修了試験は実施されず、カリキュラムの受講ができれば資格取得となるため、取得難易度は低いといえるでしょう。
認知症ケア指導管理士(初級・上級)
資格の概要 | 認知症ケアに関わる人の専門性向上を目的とした民間資格 |
受講条件 | 初級:なし 上級:初級の資格取得から1年以上 |
資格取得でできること | ・認知症ケアの基礎知識の取得 ・認知症ケアについての教育・管理・指導する能力の取得 |
試験の頻度 | 初級:年2回 上級:年1回 |
かかる費用 | 初級:7,500円 上級:一次試験12,000円、二次試験6,000円 |
認知症ケア指導管理士は、認知症ケアに携わる方の専門性向上を目的に創設された資格です。
初級と上級に分かれており、初級は受講条件がありませんが、上級は「初級の資格取得から1年以上経った人」と条件が定められています。
初級は医療介護未経験の合格者も多く、難易度はそれほど高くありません。一方で、上級は指導者としての人材育成の役割が求められることから、取得へのハードルが高いです。
2019年に実施された上級試験では、第1次試験の合格率は7.0%、 第2次試験の合格率は95.2%と、第1次試験をクリアすることが大きなポイントであることがわかります。
認知症ケア専門士
資格の概要 | 日本認知症ケア学会が認定する更新制資格 |
受講条件 | 過去10年の間に認知症の方に携わる実務経験3年以上 |
資格取得でできること | ・認知症への理解が深いことの証明 ・高度な技術を用いたケア |
試験の頻度 | 年1回 |
かかる費用 | 一次試験1万2,000円、二次書類8,000円、申請時手数料15,000円 |
認知症ケア専門士とは一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する更新制の資格で、認知症介護従事者の自己研鑚および生涯学習の機会提供を目的に設けられています。
認知症ケアの介護現場においてほかの介護スタッフに適切なアドバイスを行ったり、指導したりするのが仕事です。
5年間で30単位を取得することが更新の条件となっており、講習会や学術大会への参加、論文発表などを行うことで単位を取得できます。
合格率は例年50%前後で推移しており、難易度としてはやや高いといえるでしょう。
その他の介護資格10種類
最後に、その他の介護関連の10種類の資格を紹介します。
- 重度訪問介護従事者養成研修
- 難病患者等ホームヘルパー
- ガイドヘルパー
- レクリエーション介護士
- 医療介護福祉士
- サービス介助士(ケアフィッター)
- 福祉住環境コーディネーター
- 介護予防運動指導員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
重度訪問介護従事者養成研修
資格の概要 | 重度の障害者の介護を行う際、介護福祉士や初任者研修だけでは足りない知識を補う |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・基礎課程修了:障害程度区分4・5の利用者への介護サービスの提供 ・追加課程修了者:障害程度区分6の利用者への介護サービスの提供 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 基礎課程:1万5,000円〜2万円 追加課程:1万5,000円〜2万円 総合課程:3万円 |
重度訪問介護従事者養成研修は、自治体から「障害支援区分4〜6」に認定されている障害者に対する介護知識の研修です。
- 重度の肢体不自由
- 重度の知的障害
- 重度の精神障害
上記などにより、常に介護を必要としている人の生活をサポートするために必要な資格です。
受講に必要な条件はなく、講習を受講すれば資格が取得できるため、難易度としては低いといえます。
難病患者等ホームヘルパー
資格の概要 | 在宅医療を必要としている難病患者に対し、生活の質向上を目的として、療養生活支援と自立、社会参加の促進を図るための資格 |
受講条件 | 入門講座:ホームヘルパー3級・介護福祉士の有資格者 基礎課程Ⅰ:ホームヘルパー2級・介護職員初任者研修以上・介護福祉士の有資格者 基礎課程Ⅱ:ホームヘルパー1級・実務者研修以上・介護福祉士の有資格者 |
資格取得でできること | ・難病患者の対応や知識を身につけられる ・難病への理解が深まる |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 約1万円 |
難病患者等ホームヘルパーは、特定疾患や難病を抱える人に訪問型の介護・生活援助を行うための専門職員としての資格です。入門・基礎課程Ⅰ・基礎課程Ⅱの3つに分かれており、それぞれ受講条件とカリキュラム内容が違います。
専門性の高い知識が身につくため、介護職としての幅を広げることができ、就職や転職に優遇されやすい点がメリットです。
試験がなく、カリキュラムを修了すれば資格が取得できるため、難易度は高くありません。
ガイドヘルパー
資格の概要 | 障害者などの外出同行や移動を支援するための資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・障害者の移動サポート、援護 ・代読や代筆 ・排泄や食事等の必要な援助 |
試験の頻度 | 試験なし |
かかる費用 | 2万円〜5万円 |
ガイドヘルパーは、別名「移動介護従事者」と呼ばれ、介護を必要とする人の移動を介助するための資格です。ガイドヘルパーの利用対象は以下となります。
- 視覚障害者
- 全身性障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
主な活躍の場は、在宅介護サービス会社、訪問介護サービス会社、老人ホーム、障害者施設など多岐に渡り、高齢者が増えていく日本において需要が高まる資格といえるでしょう。
研修と演習を修了すれば資格を取得できるため、比較的難易度は低い資格です。
レクリエーション介護士
資格の概要 | 介護現場でのレクリエーションスキルを身につけるための資格 |
受講条件 | 2級:なし 1級:2級を取得した人 |
資格取得でできること | ・レクリエーションの専門的な知識の取得 ・利用者の状況に応じた企画立案や実施 |
試験の頻度 | 2級:随時(在宅可) 1級:年4回程度 |
かかる費用 | 2級:3万5,000円程度 1級:10万円 |
レクリエーション介護士とは、高齢者介護レクリエーションの基礎から応用まで幅広く学べる資格です。
1級と2級にわかれています。2級は受講条件なしで誰でも受けられますが、1級は人材の育成と現場の活性化など、介護現場で仕事として活用できる資格です。
最短2日で取得できる上に正答率が60%以上で合格のため、難易度も比較的簡単で、介護現場で活かせる取得がほしい人におすすめできる資格といえるでしょう。
医療介護福祉士
資格の概要 | 事故防止や緊急時の対応に必要な医学的知識を有している証明となる資格 |
受講条件 | 介護福祉士としての実務経験が1年以上ある人 |
資格取得でできること | ・医療チームのメンバーとして活躍できる ・介護の質を向上させるための知識を学ぶことができる ・終末期医療において活躍できる |
試験の頻度 | ー |
かかる費用 | ー |
医療介護福祉士は、医療に関係する現場で働くための医学的知識の習得と、医療行為を含まない緊急時の対応と事故防止を目的とした資格です。
介護福祉士からのキャリアアップが狙える資格でしたが、現在は講座の開催がなく、今後の予定もありません。
そのため、介護福祉士のキャリアアップには、他の資格の取得を考えましょう。
サービス介助士(ケアフィッター)
資格の概要 | 高齢者や障害者を安全にサポートできることを証明する資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・「おもてなしの心」と「介助技術」を身につけられる ・介護知識やコミュニケーション、関連法規が学べる |
試験の頻度 | 随時 |
かかる費用 | 4万1,800円 |
サービス介助士(ケアフィッター)とは、年齢や障害の有無に関わらず、誰もが社会参加できるよう、おもてなしの心と安全な介助技術を身につけるための資格です。
介護業界以外にも小売や観光などのサービス業を中心に、障害などがある人を接客するための基礎的な知識を学ぶためさまざまな企業で導入されており、多くの現場で役立つ資格といえます。
事前の自宅学習と2日間の実技講習後、試験に合格すれば取得できるもので、受講者の9割以上が合格できることから、難易度は低いです。
福祉住環境コーディネーター
資格の概要 | 高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザー資格 |
受講条件 | なし |
資格取得でできること | ・住宅改修のアドバイス ・福祉用具や介助用具の選定アドバイス ・ 住宅改修費支給申請の理由書作成 |
試験の頻度 | 2・3級:年2回 1級:年1回 |
かかる費用 | 3級:5,500円 2級:7,700円 1級:9,900円 +CBT利用料2,200円 |
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境のアドバイスをする上で必要な資格です。福祉住環境コーディネーターの資格は、1級〜3級まであります。
- 3 級:基礎知識の習得
- 2級:実務に活かせる程度の知識・能力の習得
- 1級:住宅改修・新築のプランニングやまちづくりへの参画
2019年度の合格率をみてみると、3級が58%、2級が37.7%であるのに対し、1級は13.8%と低く、特に1級の難易度が高いことがわかります。
介護予防運動指導員
資格の概要 | 介護予防を専門とした民間資格 |
受講条件 | ・初任者研修修了者で2年以上の実務経験者 ・介護職員基礎研修課程修了者、実務者研修修了者 ・介護支援専門員の資格保持者 ・健康運動指導士等の資格保持者 ・医療分野などの国家資格保持者 |
資格取得でできること | ・介護予防プログラムの作成 ・運動指導 |
試験の頻度 | なし |
かかる費用 | 9万円 |
介護予防運動指導員とは、筋力向上トレーニングをはじめとした介護予防プログラムの作成や運動指導を行い、高齢者が自立した生活を送れるように適切なサポートを行う専門家であることを示す資格です。
対象の高齢者に対し、意向を確認しながら、介護予防プログラムを立案します。必要に応じて他の医療や保健、福祉専門職と情報を共有し、連携を図ることも介護予防運動指導員の重要な仕事です。
合格率は約90%と高く、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホーム等の入所施設や通所事業所はもちろん、病院が開設しているリハビリセンター、民間のスポーツクラブなどにも活躍の場が広がっています。
社会福祉士
資格の概要 | 社会福祉士及び介護福祉士法にもとづく国家資格 |
受講条件 | ・福祉系大学・短大卒業者(指定科目履修済み) ・福祉系大学・短大卒業者・対象職種従事者(4年以上)(基礎科目履修済み) ・一般大学卒業者・短大卒業者・相談援助実務経験4年以上の人 |
資格取得でできること | ・障がいを持つ人や環境上日常生活を送るのが困難な人の相談業務 ・専門家としての社会的な信用性を得られる |
試験の頻度 | 年1回 |
かかる費用 | 1万9,370円 |
社会福祉士とは「ソーシャルワーカー」とも呼ばれる、社会福祉専門職の国家資格です。
身体的・精神的・経済的、さまざまな障害を持つ人から相談を受け、日常生活がスムーズに営めるように支援を行う仕事をしています。
社会福祉士国家試験の合格率は30%ほどで、福祉系国家資格の中で最も低いです。しかし少子高齢化が進む日本において、さまざまな福祉的課題が注目される現在、社会福祉士への期待はますます高まっているため、チャレンジしたい資格といえます。
精神保健福祉士
資格の概要 | 精神保健福祉分野で活動する専門職の国家資格 |
受講条件 | ・4年制大学で指定科目を修めて卒業した方 ・2年制(又は3年制)短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設において2年以上相談援助の業務に従事した方 ・精神保健福祉士短期養成施設(6月以上)を卒業(修了)した方 ・精神保健福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方 |
資格取得でできること | ・精神的な問題を抱えた人の生活問題解決のための援助 ・地域施設の利用や社会復帰に関する相談業務 ・社会参加に向けての支援 |
試験の頻度 | 年1回 |
かかる費用 | 24,140円 |
精神保健福祉士は、主に精神保健福祉分野で活動する専門職の国家資格です。精神的な障害を抱えている人の退院後の支援や社会復帰の促進を仕事としています。
国家資格ながら2022年度の合格率は65.6%と高く、受験条件を満たした上でしっかり復習を行い、幅広い範囲の知識を習得すれば、取得は難しくありません。
介護分野において精神保健福祉士を募集している事業所は少ないです。しかし、精神疾患を患った要介護者へのケアには精神保健福祉士の持つ知識やスキルが役立つため、今後介護業界での精神保健福祉士のニーズは増えていくと思われます。
まとめ
この記事では、転職やキャリアアップのためにおすすめの介護の資格を21種類紹介しました。
種類の多さに「どれを取得しよう」と悩む人もいるでしょう。なかには、資格試験が必要だったり受講すべきカリキュラムが多かったりする資格も存在するため、取得を諦めてしまう人もいるかもしれません。
しかし、今後介護業界で仕事をしていく場合、自分がどのようなキャリアを積みたいかを明確にして、それに合った資格取得をすることは大きな強みとなります。
この記事を参考にしながら、キャリアアップのためにぜひ資格取得を目指してください。