- 「介護士は副業をしても良いの?」
- 「介護士におすすめの副業が知りたい」
2018年1月、厚生労働省が作成する「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の「モデル就業規則」上で、副業禁止の項目が削除されました。さらに、副業・兼業に関する規定を新設したことをきっかけに、副業を解禁する企業が増加しています。
副業をすることは、働く人にとって、収入の増加やスキルの向上、企業側にとっては優秀な人材を確保できる、従業員の定着率が高まるなど、双方にとってさまざまなメリットが考えられます。
しかし、介護職は副業ができるのか、疑問に思う人もいますよね。
結論からいうと、介護職でも基本的に副業をすることは問題ありません。ただし、副業について規定を設けている事業所もあるため、事前の確認が必要です。
この記事では、介護職におすすめの副業や、副業をするときの注意点を紹介します。加えて、記事の後半では「よくある質問」も掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。
介護職は副業できる?
介護職の副業は、基本的には問題ありません。ただし、副業をしても良いかは事業所によって違います。
副業を禁止、もしくは制限している事業所で副業をしてしまうと、事業所から戒告やけん責といった懲戒処分を下される可能性があるでしょう。
副業をする前には、自身の勤める事業所の、就業規則を良く確認してから行うようにしてください。
介護職におすすめの副業7選
勤めている事業所で副業が認められているとわかったあとは、介護業界で働きながら副業で何をするかを考えましょう。
おすすめの副業を7つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 介護関係のバイト
- 地域活動支援センター
- 家事代行
- スキルシェアサービス
- フードデリバリー
- 在宅ワーク
- ブログ
介護関係のバイト
介護職におすすめの副業は、介護関係のバイトです。普段日勤で働いている人は夜勤を、夜勤で働いている人は日勤を増やします。
本業と同じ介護職を副業にすることで、働く場所が変わっても、違和感なく仕事に入れる点がメリットです。
日勤のなかでもおすすめの副業は「訪問介護の登録ヘルパー」。決められた時間帯に利用者の自宅に訪問し、介護サービスを行う仕事で、短時間勤務のため身体に負担が少ない仕事です。
地域活動支援センター
地域活動支援センターとは、障がいのある人をサポートしている施設です。地域活動支援センターの活動は、創作活動や生産活動の機会の提供を行う「基礎的事業」と、地域活動センターの機能を強化するための「機能強化事業」にわかれ、さらに機能強化事業はⅠ~Ⅲ型にわかれます。
Ⅱ型、Ⅲ型の地域活動支援センターであれば、資格がなくても働けるため、副業として始めやすい仕事といえます。
一方、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持っている人は、Ⅰ型の地域活動支援センターを候補に入れてもいいでしょう。
家事代行
家事代行も、介護職の副業におすすめの仕事です。家事代行とは、依頼者の自宅に行って、依頼された家事を行う仕事で、主に以下のようなものがあります。
- 夜ごはんの作り置き
- 部屋やトイレ、風呂の掃除
- 洗濯
- 食品や日用品の買い物
- 植物の水やり
家事代行に必要な資格は特になく、一般的な家事のレベルがあれば十分に仕事ができます。
家事代行は登録制で仕事量を調整しやすく、さらに、生活介護のスキルや経験を活かせるため、自由度の高い、おすすめの副業といえるでしょう。
スキルシェアサービス
スキルシェアサービスとは、個人が持っている専門的な知識やスキルをインターネット上で販売できるサービスのことです。
スキルシェアサービスで販売できるスキルは幅広く、本人が特別なスキルと思っていないものに対して、高い対価がつく可能性もあります。
就業時間は、スキルを提供してほしいと望む依頼者との相談によるため、時間に縛られず、すきま時間で働ける点がメリットです。
介護職ならではのスキルを、スキルシェアサービスで活かすのも良いのではないでしょうか。
フードデリバリー
近年Uber Eatsや出前館などの仕事をしている人が増えてきており、介護職の副業としても、フードデリバリーはおすすめの仕事です。
フードデリバリーの仕事であれば、シフトが決まっておらず、自分の好きな時間に働くことができます。この日に働こうと思っていても、体調が悪いなどの場合は、休むことも可能です。
このように「自分のペースで働けて、上司とのわずらわしい人間関係もない」ため、気ままにできる副業といえるでしょう。
一方で、住んでいる地域がフードデリバリーに対応していなければ働けない点がデメリットとなります。また、ただ単に配達を待っているだけでは稼ぎにくいので、以下のようなコツを身につけましょう。
- 小回りのきくバイクで配達をする
- ライバルの配達員が少ない、稼げるエリアを見つける
- 土地勘を養う
在宅ワーク
在宅ワークも、介護職の副業におすすめです。一口に在宅ワークといっても、その仕事内容はさまざまあります。
特にライティングやプログラミングなど、介護関係以外のスキルを持っている人は、その特技を活かせる場となることでしょう。
ぜひ、自身のスキルを見直してみて、在宅ワークでできる仕事がないかを探してみてください。
ブログ
ブログは、記事を書くことで、アフィリエイト広告収入や、マーケット型広告収入が得られます。介護職の人であれば、介護スキルの習得方法や資格取得の経験など、見る人の役に立つ記事を書くことができるでしょう。
一方で、一般人がブログで収入を得るためには、最低でも半年~1年かかるといわれており、時間がかかる点がデメリットです。
介護職で副業をしている人の中には、今回紹介した副業を、いくつか組み合わせて行っている人も存在します。本業との兼ね合いを考えて、「どのような働き方をしたいのか」「自身の提供できるスキルはなにか」などから、自分に合った副業を見つけていきましょう。
介護職が副業をするときの4つの注意点
介護職が副業をする前に、以下の4つの注意点を確認しておきましょう。
- 業務内容を確認する
- 確定申告が必要な場合もある
- 社会保険の加入が必要なこともある
- 体調管理を行う
業務内容を確認する
副業を行う前には、しようとしている仕事の業務内容を必ず確認しましょう。
例えば同業他社で副業をするのであれば、本業の事業所の機密事項を漏えいする結果とならないように注意しなければなりません。
また、実は本業に損害を与えるような「闇バイト」だったりするケースも。
「この仕事をするものだ」と先入観から決めつけることはせず、必ず具体的に何をする仕事なのか、業務内容を確認するようにしましょう。
確定申告が必要な場合もある
本業が会社員である場合、納税に関しては事業所側が年末調整をしてまとめて納税をしてくれますが、副業で年間20万円以上の収入を得たときは、会社員でも確定申告が必要になります。
もし確定申告が必要であるにも関わらず、申告をしなかった場合、「無申告加算税」の支払いが必要になることがある上に、確定申告の期限が納付の期限でもあるため、「延滞税」が発生してしまうことも。
副業でしっかりと稼ぎたいと思っている人は特に、確定申告についての基礎知識については、きちんと押さえておくことが大切です。
社会保険の加入が必要なこともある
副業の場合でも、条件を満たした場合に、社会保険の加入が必要になることがあります。
現在既に会社員として社会保険に加入している人で、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数がフルタイムの方の3/4以上である場合、または下記の条件を満たした場合は、社会保険に加入しなければなりません。
副業先で社会保険に加入した場合、本業には「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。
この手続きを正しく行っていない場合には、企業が負担する社会保険料額が本来の額と異なる問題が出てくる可能性があり、本来よりも多い金額の社会保険料を支払うことになりかねません。
体調管理を行う
副業する場合、適切な体調管理をしっかりと行いましょう。
副業は、普段休んでいた時間を、仕事にあてる行為のため、心身ともに無理が出てくる可能性があります。
働きすぎて体調を崩しては、仕事に出られず収入が減少してしまうなど、本業にも副業にも悪い影響を与えかねないため、常に自分自身の体調管理に気を配るようにしてください。
介護職の副業についてよくある質問
最後に、介護職の人が副業をするときによくある質問を2つ紹介します。
- 副業がバレることはある?
- 確定申告を行わなかったらどうなる?
副業がバレることはある?
副業がバレる可能性はあります。
特に確定申告を行うと、本業で支払われる給与と副業で得た報酬の金額が合算され、翌年の住民税に反映されるため、本業で勤務している事業所に副業を知られてしまいます。
住民税の金額から、本業に副業を知られたくない場合、確定申告書の「住民税に関する事項」の欄で、「自分で交付」に○をつけましょう。副業分に関する住民税の通知は自宅に届き、自分で納付することになるので、本業に副業を知られるのを防げます。
また、SNSの投稿にも注意が必要です。何気ない投稿から個人が特定される場合があるため、副業をにおわすような投稿は控えましょう。
確定申告を行わなかったらどうなる?
上記でも触れましたが、確定申告を行わなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」などの支払いが必要になります。
確定申告は「義務」となりますので、意図的に確定申告を行わないことは「悪質な脱税」とみられ、厳正な処分が下されるのです。
申告を忘れてしまった人は、すみやかに確定申告を行うことで、罰則を少しでも低くできる可能性もあります。
仮に確定申告をしなかったとしても、税務署に無申告がバレない確実な方法は存在しません。副業で年間20万円以上の収入を得たときは、必ず確定申告しましょう。
まとめ
介護職でも、基本的に副業は可能です。ただし、就業規則によって、副業を禁止、または制限している事業所も存在しますので、これから副業をしようと考えている人は、まず本業の規定を確認するところからはじめましょう。
介護職の本業を持ちながらできる副業は多くあります。介護のスキルを活かせる仕事であったり、時間に縛られずに働ける仕事などがあるので、自分の希望する働き方のできる副業を選ぶことをおすすめします。
副業をする際の注意点もいくつかありますので、事前に確認しておきましょう。特に、確定申告や社会保険の加入については基礎知識を持っておいた方が安心です。
副業は今や当たり前の時代になりつつあります。介護職を持ちながら、できる副業を探していきましょう。